DH教育者向けセミナー「学生の心理分析データを学生指導・広報に活かす」開催-12/1(土)日本歯科衛生教育学会・学術大会にて

 12/1(土)に新潟県で行われました第9回日本歯科衛生教育学会・学術大会において、「学生の心理分析データを学生指導に活かす」をテーマにセミナーを開催しました。当日は、定員100名のところ早々に席が埋まり、歯科衛生士の教育に従事されている多くの方々に聴講いただきました。

 社会保障費の増大が問題となり、また口腔の健康が全身の健康につながることが認識されてきた昨今、口腔の疾患予防は、国全体で取り組むべき課題となっています。その中で、歯周病や虫歯の予防処置を担う歯科衛生士の役割はますます高まっていますが、離職率の高さなどから、必要なところに十分に供給されていない状況です。そしてこの課題解決のためには、歯科衛生士の資格を活かして長く活躍できる人材の育成と、歯科衛生士を目指す母集団自体を大きくすることが求められます。また、訪問診療で他職種と連携するケースが増えるなど、担う職務の内容も高度化してきており、それを想定した教育も急務となっています。

当社では、これらの前提として歯科衛生士学生のペルソナを把握することが必要と考え、歯科衛生士に特化した適性診断ツールを開発しました。それを用い、東京都内の歯科衛生士学校1校の協力を得て学生の心理診断データを取得・分析。今回、日本歯科衛生教育学会・学術大会にて発表しましたのは、その研究結果としてわかった、歯科衛生士学生のペルソナやそれを踏まえた施策例などとなります。

 本セミナーでは、適性診断ツールの共同開発者であり、長く心理分析の分野で活躍するTFC株式会社代表取締役の國枝俊弘氏が登壇。平均的な学生像からすると、自主性を尊重するよりは積極的に育成する教育方針の方が適していることや、コミュニケーションの傾向が二極化しており、クラス編成などの際はそれを踏まえた方がよいことなど、教育効果を高めるための具体的な施策についてお話ししました。また、昼間部・夜間部や、歯科医院への仕事経験があるかないかといった、属性による比較データにも触れ、モチベーションを高める方法などの違いについてもお伝えしました。

 学生の全体的なペルソナを理解することのメリットは、教育上の効果だけではありません。そこから導き出される学生の平均的な特性は、学生募集に際しどういった層にアプローチすればよいかや、経営全体を考える上でも参考になるものです。

 当社では、今後さらにペルソナ分析事業を発展させ、歯科衛生士学校が、優秀な歯科衛生士を多く市場に送り出すための貢献をしていく予定です。

 一般的に適性診断は、企業が入社試験の一環として応募者一人ひとりの特性を知るために行ったりしているものです。今回のデータ収集・分析に使用した当社オリジナルの適性診断ツールも、全体的なペルソナ分析ができることもさることながら、個人の診断がもう一つの用途となります。入職後のミスマッチやトラブルも少なくない歯科業界において、採用応募者の見極めに当ツールが役立つことができればとも考えております。