「こうあるべき」を捨てたら一体感が高まり、職場の雰囲気もポジティブに

「こうあるべき」を捨てたら一体感が高まり、職場の雰囲気もポジティブに

  • スタッフが定着せず組織が不安定 スタッフと目線を合わせることでチームがまとまり定着率も向上 マッチング精度にこだわった結果、活気のある職場に

「歯科衛生士はこうあるべき」をやめた

開業からずっと医院の運営は順調でしたか?

長谷山 洋子 先生: いいえ。ここに至るまでには苦労もありました。特に人間関係には悩まされましたね。スタッフ全員が一斉に辞めてしまったり、あるスタッフが数人を引き連れて辞めてしまったり、チーフに推薦した子に辞退されてしまったり。数年前まではなかなかスタッフが定着せず、組織も安定しなくてきつかったです。思い返してみると、少し指導が厳しかったかもしれません。私自身が歯科衛生士で向上心があるがゆえに、当時は「歯科衛生士はこうあるべき」と凝り固まった考え方をしていました。いい意味でそこらへんのハードルを下げられたことが、採用や定着につながったのではないかと思います。

なぜハードルを下げることができたのですか?

医院が成長するなかでDX化が進み、デジタル機器の操作など、私よりもスタッフの方ができることが増えたんです。学ぶ側になる場面が増えたことで、スタッフと同じ目線に立つことができるようになり、上から物を言うのではなく、「いいものをみんなでつくっていこう」という姿勢に変わりました。

ターゲットを明確にしてマッチング精度を高める

最後列の男性は院長の小林 哲先生

一体感が生まれ、定着率の向上につながったんですね。

はい。今は変な辞め方をする子はいなくて、新卒で入ってライフステージの変化を理由に円満退職する流れです。みんな当院に愛情を持っていて、人が抜けたときの大変さもわかっているので、後任が見つかるまで働いてくれます。今月も結婚を機に退職する子がいるのですが、半年以上も前に話してくれて。「新しく入る子を育ててから辞めます」と言ってくれました。都市部の医院ということもあって、結婚や出産で退職すると戻ってくることがほとんどありません。寂しいですが、人を入れ替え続けなければならないのが実情です。

今はどのように採用活動を行なっていますか?

クオキャリアの営業さんと打ち合わせを重ね、求職者の傾向なども踏まえながら求人原稿をつくっています。以前はたくさんの応募の中から当院に合う人材を選んでいましたが、今は母数を集めるのをやめ、ターゲットを絞ることで、マッチング精度を高めています。当院の規模であれば、年間で1人採用できればいいので、そのなかで良い出会いがあればと思っています。クオキャリアの営業さんとは付き合いが長いですが、ただこちらの言うことを聞くだけでなく、ときには辛口のアドバイスをくださることもあり、当院のことを真剣に考えてくれているのが伝わってきてありがたいです。

モチベーションが高いスタッフが集まり、活気のある職場に

貴院のどんなところに魅力を感じている求職者が多いですか?

スキルアップできる環境であることに魅力を感じて応募してくれる子が多いです。またコロナ禍にInstagramを立ち上げたのですが、スタッフの仲の良さやリアルな職場の雰囲気が伝わっているようで反応がいいです。見学での対応も喜ばれていますね。スタッフ全員で歓迎し、チーフが中心となって“見学でここまで話すのか”というくらい丁寧に説明するので、面接のときに「雰囲気が良かった」「わかりやすく説明してもらえてうれしかった」と言ってもらえることが多いです。

これまで採用した方に傾向はありますか?

クオキャリア経由で入ってくれた子は、主体的に行動できるタイプが多いです。仕事にも前向きで、以前だったら新しいことを始めようとするとだいたい文句が出ていましたが、今いるスタッフは「やりましょう!」とみんなで盛り上げてくれるので、とても心強いです。