
予防中心にシフトして評価制度も導入。歯科衛生士がモチベーション高く主体的に仕事に取り組める職場へと進化
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治療の悪循環で疲弊。治療中心から予防中心へシフト 実習生+求人媒体経由の人材を採用 評価基準を明確化してモチベーションを高める
治療の繰り返しで疲弊。予防歯科の大切さに気づき方針変更
先生が貴院の院長に就任した経緯を教えてください。
荻原 尚樹 先生: 当院は実家の歯科医院の分院という位置付けで、私は2軒の開業医で経験を積んだのち、1998年に院長に就任しました。院長が変わったことで患者さんがガクンと減ってしまったので、はじめは集患のためにがむしゃらに診療を行っていましたが、患者数が回復したタイミングで滅菌方法を見直して。そこから徐々に治療中心から予防中心へとシフトしていきました。それに伴い、歯科衛生士の仕事も大きく変化し、主体となって活躍できる職場になりました。
治療中心から予防中心にシフトしたきっかけは何だったのでしょうか?
荻原 尚樹 先生: 悪いところを治すのが歯科医師の仕事で、治療さえしていれば患者さんに喜んでもらえると思っていました。でも虫歯が再発したり、さらに悪くなったりするのを目の当たりにして。やってもやっても終わらないという悪循環に私もスタッフも疲弊してしまっていました。大事なのは治療よりも健康な歯を守っていくことだと考えを改め、シフトすることにしたんです。
医院の現状を把握している営業担当と二人三脚で人材の採用に成功

貴院ではどのような採用活動を行っていますか?
荻原 尚樹 先生: 当院は歯科衛生士実習施設として毎年数名の実習生を受け入れており、そのまま入職するケースが多いです。加えてクオキャリアも利用していて、最近だと求人サイト経由で2名、就活イベント経由で1名採用に至りました。クオキャリアは「顔の見える営業」と言いますか、きちんとヒアリングして状況を把握した上でさまざまな提案やアドバイスをくれるので、こちらの一方通行ではなく、二人三脚で採用活動を行っているという気持ちが強いですね。
教育やマネジメントはどのようにされていますか?
荻原 尚樹 先生: 教育は先輩が指導する以外に、フリーランスの歯科衛生士を講師として招いて研修を行なっています。マネジメントはあらゆるセミナーに参加して、そのなかで学んだ「NLPコーチング」をベースに、スタッフそれぞれの価値観や思考パターンを理解して、能力を活かせるよう導いています。
評価基準を明確化して「頑張る方向性」を示す

定着率を高めるためにしていることはありますか?
荻原 尚樹 先生: 外部コンサルタントのサポートを受けながら評価制度を導入したり、個人面談を行なったりしながらモチベーションアップを図っています。また1人1台配布しているiPadにはマニュアルのほかに定期健診の受診率やキャンセル率も入っていて、どんなことを頑張ったら評価につながるかも明確化されているので、努力の方向性を間違うこともありません。
貴院の医院運営がうまくいっている要因はどこにあるとお考えですか?
荻原 尚樹 先生: トップダウンではないところだと思います。任せるところは任せつつ、歯科衛生士、歯科医師、受付の責任者を集めた幹部ミーティングで現状や目標などの情報共有も行なっているので、全員が同じ方向に向かうことができています。今後は治療用のチェアを減らして予防用のチェアを増やしていけたらと。ゆくゆくは当院を「予防センター」のような場所にしたいと考えています。