失敗が初心にかえるきっかけに。互いをリスペクトし合える組織へと変わり、歯車もうまく回り始めた
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コロナ禍で経営方針を大きく変更。結果、患者さまは離れ、スタッフの退職者も… 歯科助手をマネージャーに採用。医院全体に 安心感が生まれる。 採用には惜しまず投資。不測の事態に備えて余裕をもって人材確保。
不況時に自費率アップを狙い失敗。患者さまは離れ、スタッフの離職も。
どのような歯科医院を目指して開業されたのですか?
岡田 実 先生: 開業時は、障がい者や低所得者の方でもより良い歯科診療を受けられるような医院を目指していました。そのため完全なバリアフリーで駐車場も広く、手話での対応や車椅子の方の介助、補助犬の受け入れも行っています。ユニット2台からスタートしましたが、想定を超える数の患者さんに来院していただけるようになり、増築してユニットも7台まで増やしました。
経営が大変だった時期はありますか?
岡田 実 先生: コロナ禍で人数制限しなければならなかったときに、経営方針を変更して自費率アップを図ろうとしたのですが、それが大失敗しまして…。通ってくれていた患者さまは離れ、スタッフもだいぶ入れ替わりました。急に経営方針が大きく変わったので、信用を失ってしまったんでしょうね。歯科医院を運営する上で一番大切なのは信用なんだと改めて思いました。
あえて有資格者ではない歯科助手をマネージャーに採用
そこからどうやって立て直したのですか?
岡田 実 先生: 初心にかえり、どんな方でも分け隔てなく診ようと、保険を主軸にした診療を行うことにしました。今は患者さまに対してもスタッフに対しても、まずはできる限り、自分から周りに良い行いをしていくなど、「返報性の原則」を用いて運営しています。
スタッフ対応で心掛けていることはありますか?
岡田 実 先生: 感謝の気持ちやそれを言葉できちんと伝えること。歯科衛生士に対しては国家資格を持つ専門家として、敬意をもって接しています。以前は、私がスタッフのマネジメントまでやっていましたが、人数が増えて見切れなくなったのと、私が直接指示を出したり注意をしたりするとうまくいかないケースもあったので、マネージャーのポストを設けて、歯科助手のメンバー2人に任せることにしました。
歯科衛生士は必要不可欠な存在だから採用への投資は惜しまない
なぜマネージャーに歯科助手の方を選んだのですか?
岡田 実 先生: 医院全体やスタッフ一人ひとりをフラットな視点で見られるのは、有資格者ではない人が適任と思ったからです。管理職はたいへんだと感じる場面もあるかもしれませんが、責任に見合う報酬を出すのはもちろん、誇りとやりがいをもって働いてもらえる仕組みや就業体制を整えました。歯科助手にマネージャーを任せてから他職種同士がお互いにリスペクトし合うようになり、安心感がある気がしますね。今は院内が安定感のある雰囲気です。
採用方針について教えてください。
岡田 実 先生: 歯科衛生士は患者さまの口腔の健康をサポートする重要な役割を担っていて、歯科医院とって必要不可欠な存在なので、採用への投資は惜しみません。また不測の事態などにも対応できるように余裕をもって人員を配置しています。私は経営者ではありますが、なにより歯科医師です。診療が本業であり、普段から忙しくしているので、歯科衛生士の求人に関する一切合切をクオキャリアがまとめてやってくれるのはありがたいですね。それに、クオキャリアを通じて入ってくる子は向上心が高い人が多いです。新卒採用では、最も信頼感のある媒体だと思っています。