努力の方向性を見極め、良い人材の獲得につなげる

努力の方向性を見極め、良い人材の獲得につなげる

  • 開業当初から予防に注力。予防フロアはタービン不使用 全員に同じレベルを求めず個々の能力を伸ばす 採用は永遠の課題。良い人材獲得のために努力し続ける

予防フロアからは治療を連想させるものを排除。タービンを使わない空間に

貴院では予防歯科に注力されていますが、それはいつ頃からでしょうか?

桂山 龍彦 先生: 開業当初からです。ただ当時は世の中に予防歯科という言葉が浸透しておらず、予防歯科といっても患者さんに伝わらないと思ったので、「無痛歯科」と言い方を変えてやっていました。大きな転機となったのは、予防歯科のエキスパートとして他院で働いていた経験者の歯科衛生士を採用したこと。患者さんが増え、規模拡大を考えるフェーズで、歯周病治療に携わった経験が豊富な方を採用できたんです。彼女を軸に予防歯科のシステムを構築しようと決め、増築に踏み切りました。

増築の際にこだわったポイントを教えてください。

桂山 龍彦 先生: 1階と2階が別世界のようになっていて、2階は予防歯科専門フロア。コンセプトは「水に浮かぶ異空間」で、水のせせらぎとアロマの香りで日常を忘れ、リラックスしながら治療を受けていただけます。また2階の最大の特徴はタービンを使わない空間であること。エアスケーラーを使うので多少の音は出ますが、切削器具とはやはり音が違います。歯医者が怖いという患者さんもいるので、2階は治療を連想するようなものを排除したかったんです。

裁量が大きいから責任感が芽生え向上心も育つ

新卒採用後の流れを教えてください。

桂山 龍彦 先生: 新卒を採用したら、まず外部セミナーに行ってもらい、それから当院のやり方を教えます。いきなり当院のやり方を教えるより、セミナーで裏づけのあるたたき台をつくった上で、当院で取り入れることと取り入れないことを区別した方が理解してもらいやすいんですよ。先輩は後輩に教える立場ですが、一緒に学び、成長していく姿勢を大切にしています。

マネジメントはどのような方針でされていますか?

桂山 龍彦 先生: 当院が一番大事にしているのは「患者さんがどうしたいか」。マニュアルやカリキュラムはもちろんありますが、患者さんのなかには30分カウンセリングしてほしいという方もいれば、施術をメインにしてほしいという方もいます。患者さんごとにアプローチを変える必要があるので、歯科衛生士もそれぞれでやっていることや進め方が違います。ある程度の裁量を与えつつ、責任や向上心を持って仕事に臨んでもらうというのが当院の方針です。

良い人材を採用するためには「努力」が必要

裁量を与えて成長を促すんですね。

桂山 龍彦 先生: はい。「同じ職種だから全員同じレベルに」という医院もあると聞きますが、個々の性格や向き不向きがあるので、それを実現するのはなかなか難しいと思うんです。私はスタッフ一人ひとりが好きなことに携われることを重視していて。その子が望むことを医院が後押ししてあげる。それが結果的に一番その子を伸ばすことにつながると考えています。

採用活動について教えてください

桂山 龍彦 先生: 採用は永遠の課題ですね。どうしたら求職者が当院に興味を持ってくれるのか、魅力を感じてくれるのか…試行錯誤を繰り返しているのですが、想像の半分くらいしか応募が来ません。同じく採用に苦労されている医院でも、実際に採用のためにしていることは衛生士学校に求人を出すことくらい、という話も聞きます。それだけで求職者を惹きつけるのは難しいと感じますし、やはり採用のためには相応の努力が必要なんだと思います。その努力の方向性を見誤らないよう、クオキャリアの営業さんと相談しながら進めています。