人も仕事も、真摯に向き合えば必ず結果はついてくる

人も仕事も、真摯に向き合えば必ず結果はついてくる

  • 駅から離れた立地、紹介や口コミで患者数が増加 二代目として医院継承するも順調とはいえないスタート 先代の“真似”ではなく“超える”、真摯な姿勢で信頼関係を構築

あえて駅から離れた場所で開業。気づけば地域から頼られる医院に

開業にこの地を選んだ理由を教えてください。

小嶋 太巳 先生: 先代の父は駅から離れていても患者さんに来ていただける歯科医院にしたい、してみせるという気持ちで、あえてここに開業したそうです。集客の看板を出したりもしていませんが、誠実な診療を行っているうちに、口コミや紹介で患者さんが増えていきました。
地域の人たちから頼りにされる父の姿を見て育ったので、私も物心がついたときには当たり前のように歯科医師を志していました。今でも歯科医師ではない自分は想像できません。私にとって歯科医師として働くことは生きることと同義、呼吸をするようなものなんです。

10年ほど前にお父様から医院継承されていますが、院長に就任してから大変だったことはありますか?

患者さんと父が強い信頼関係で結ばれていたため、私が院長になってからも引き続き父に診てほしいという方がたくさんいて。まずは私が診療を担当することに納得してもらうのが大変でした。また既存スタッフに私の考えを浸透させること、私の治療スタイルに慣れてもらうことにも苦労しました。

父の真似をしてもうまくいかない。自分ができることを最大限やる

その状況をどのように変えていったのでしょうか?

うまくいくようになったのは、私の考えをしつこいくらいに伝えたり、腹を割って話したりするようになってからです。はじめは父の真似をして、常に「父だったらどうするかな」と考えていました。でも経験値も違えば話し方や雰囲気も違う。同じようにやってもまったく同じにはならないんですよね。それなら私自身を認めてもらうしかないので、「自分が今できることを最大限やろう」と考えをシフトしました。「小嶋歯科医院は、患者さんにお口の健康と信頼と笑顔をお届けします」という医院理念をつくり、スタッフに共有したのもその頃です。
大変なときやつらいときもありましたが、私がぶれてしまったら医院全体がぶれてしまうと思い、絶対に自分の軸はなくさないよう心がけていました。そうはいっても人間なので、日々診療を行うなかで「これでいいのだろうか」と迷うこともあります。そんなときは歯科の道の先輩である両親や友人に相談して意見を聞いています。

貴院では1日どれくらいの患者様が来院されますか?

35人前後です。定期健診で来院されたり虫歯のない患者さんでも、必ずドクターが口腔内をチェックして説明を行うというのが父のこだわりで、私の代でも継続しています。さらに急患も受け入れているので、患者さんを待たせずにこれ以上の人数を診るとなると、スタッフを増員してシステムも改良しないと難しいですね。今は目の前の患者さんを大切にしたいと思っているので、患者数を増やしたいとか医院規模を拡大したいとは考えていません。

患者さんやスタッフと心を通わせるためには真摯に向き合うことが大切

現在スタッフ数が11名とのことですが、開業当初からでしょうか?

いいえ、私が診療を引き継ぐようになったタイミングで増員しました。いろんな求人媒体を活用してきましたが、今は歯科衛生士の採用に関することは、すべてクオキャリアにお願いしています。クオキャリア経由の人は応募から見学、採用までがとてもスムーズ。他院の先生から「まったく応募が来ない」「面接をドタキャンされた」という話を聞くことがありますが、当院ではそのようなことは一度もないですね。

スタッフとコミュニケーションを取る上で大切にしていることはありますか?

真摯に向き合うこと。患者さんに対してもそうです。人間、心を通わせるにはそれ以外の方法はないんじゃないかと思いますね。それからどれだけ良いことを言っていても行動が伴っていなければ信用されません。とにかく手を抜かず真面目に仕事に取り組む。そうすれば必ず人はついてくるし、理想が叶う日は来ると信じています。