育成が追い付かず…苦い経験をもとに築いた新人を育てる環境とは

育成が追い付かず…苦い経験をもとに築いた新人を育てる環境とは

  • 開院後急成長、ユニットを倍以上に増やしスタッフも増員 スタッフの育成が追い付かず、厳しい環境で退職者も 反省を踏まえチーフ制を導入し、適正な人数できめ細かい指導を実現

幅広い診療メニューを提供、ユニット数も倍以上に

歯科クリニックとしての特徴、診療方針について教えてください。

荻野 一樹 先生: 当院は、小さいお子さんからご高齢の方まで、困ったことがあれば何でも対応できる幅広い診療メニューを提供しています。元々勤務医時代に働いていた場所がそうした方針で運営していて、自分が開業する際も「地域で頼れる存在になりたい」と今のコンセプトで準備を進めてきました。また近隣には医療モールのようにいろいろな医科のクリニックが集まっているので、連携しながら、口の中だけではなく患者さんの全身の健康をケアできるというのも特徴だと思います。

スタッフの方は何名くらいいらっしゃるのでしょうか。

開院当初は歯科衛生士2人、助手3人と私の6人でしたが、先ほどお伝えした通り幅広い治療に対応できるようにするため、矯正と口腔外科専門の歯科医師も来てもらい、クオキャリアさんからの応募のおかげでスタッフの数も増えて、今では約40人の体制になっています。ありがたいことに多くの患者さんにも来ていただくようになり、開業時は4台だったユニットも半年で6台、1年で9台になり、今は10台以上に増えました。

急成長で育成が追い付かず…反省を踏まえ体制を整備

多くのスタッフがいる中、育成で苦労した点はありましたか。

これは自分の反省点なのですが、急ピッチで患者さんの数が増え規模を拡大していったために、スタッフが自立できるレベルにないのに独り立ちをさせてしまったんです。もう少し丁寧に時間をかけて育成をするべきでしたが急いでしまったため、新しいスタッフには厳しい環境だったと思います。仕事が大変で辞めてしまったスタッフもおり、ちゃんと育てられる環境を整える必要があると痛感しました。

ご経験を踏まえ、何か取り組んだことはありますか?

しっかりと育成できるよう、院内の体制を整備しました。私一人で40人のスタッフを見るのは難しいので、私の下にチーフを置き、さらにその下に新しい人たちを配置する形にしています。仕事の疑問点に限らず、日々の困ったことや悩みごともチーフにすぐ相談できるようにして、新しく入った人を一人にしない、しっかりと支えるということを意識した体制にしています。またそのために、常に余裕のある人数にすることも意識しています。

「患者のために」を共有し、スタッフが同じ方向を向くチームに

チーフはどのように任命しているのでしょうか。

勤続年数ではなく、人柄や技術を見て、この人なら任せられると思う人、周囲からも評価を得ている人を選んでいます。入職後すぐにお願いすることもあります。年功序列のようなやり方はとっていません。スタッフ一人ひとりに合った活躍の場、成長のペースがあると思うので、本人の希望も踏まえて、それぞれのスタイルで働けるよう仕事をお任せしています。

先生ご自身とチーフの意識はどうやってすり合わせていますか。

必要に応じて話はしますが、根本に「患者さんのために何が必要か」「どうすれば患者さんにプラスになるか」という考え方を共有できていれば、自ずと同じ方向を向けると思っています。当院が目指しているのは、岡崎市といえば東岡崎ジョイ歯科、と思っていただけるような、地域の皆様から信頼される歯科クリニックです。そのために、これからもより良い診療を提供していけるよう、スタッフと一緒に考えていきたいと思っています。