治療の絶対的な強みで付加価値をつくり、郊外でも歯科医師が集まる歯科クリニックに

治療の絶対的な強みで付加価値をつくり、郊外でも歯科医師が集まる歯科クリニックに

  • 「ありがとう」の感謝の気持ちをスタッフに常に伝える 自院の特徴をメディアで周知、就活イベントでのマッチング率をUP 強みを築いて「付加価値」をつくり、郊外でも人が集まる歯科医院に

院長一人で全てはできない、スタッフに常に感謝を伝える

最初に、開業の経緯について教えてください。

石幡先生: 歯学部を卒業後は大学院に行って4年間研究をして、修了後は東京都江戸川区の歯科クリニックで勤務医をしていました。その頃に知り合った歯科医師である妻と結婚をして、妻の父から「久喜に良いテナントがある」と、この場所をすすめられたことが開院のきっかけです。経営のことや組織マネジメントなどに関して何も分からないままオープンしたので、セミナーに参加したり、本を読んだりしながら、自分なりに歯科医院の運営に必要なことを勉強してきました。

スタッフのマネジメントに関して、意識している点は。

石幡先生: 自分はもともと指導をしたり誰かに注意したりすることが苦手でした。そのため、開院した年から働いている歯科衛生士や、妻にそうした部分は任せていて、ずいぶん助けてもらいました。院長として意識しているのは、「ありがとう」という感謝の気持ちをスタッフにしっかりと伝えること。自分一人でできることは限られていますし、今の規模で運営できているのはみんなのおかげです。その感謝を忘れず、言葉にするようにしています。

治療の特徴や強みを周知し、就活イベントのマッチング率が向上

歯科医師の採用で工夫していることはありますか。

石幡先生: 自分の場合は学生時代の部活動のつながりや医局のパイプなどもあまりないので、人づてに歯科医師を紹介してもらうことがなかなか難しいんです。そのため、研修が終わった若い歯科医師を採用するべく、クオキャリアが主催する就活イベント『MEETUP』を利用しています。合わせて当院では、治療の強みやインプラントの実績などを求人メディア『クオキャリア』を通じてWebで紹介してもらっています。特に、2026年から県内2件目となる日本補綴学会の研修施設に認定される予定です。こうした情報発信により、他院との差別化が進んできたと感じています。

具体的には、どのような変化を感じていますか。

石幡先生: クオキャリアの就活イベントで感じるのは、参加している歯科医師が、当院の特徴を知ったうえで明確に目的を持って当院のブースに来てくれるようになったことです。その分野に関して学びたいという成長意欲があり、具体的に話を聞きたいと興味を示してくれるので、マッチングしやすくなりました。今回もイベントをきっかけに、7名の歯科医師が新たに見学に訪れる予定です。「埼玉県で補綴治療」というと当院を思い浮かべてもらえるような、ブランディングができてきていると感じています。

郊外かつ小規模でも人が集まる歯科医院に、その秘訣とは

人手不足が続くなか、歯科医師の採用には何が必要でしょうか。

石幡先生: 規模もそれほど大きくなく、当院のように大都市ではない場所に位置していて、歯科医師が院長一人の場合、若い人材を集めるには“突出した治療の強み”など、自院で働くことで得られる「付加価値」をつくることが大切です。治療の強みといっても、ちょっと力を入れている程度ではなく、何か一つでいいから全国でも有数と言われるレベルのものをつくることが必要ですね。それがなければ、やはり交通の便が良いところや、大規模な法人で高い給与がもらえるところに流れてしまうのではないでしょうか。

院長自身が学び、スキルを身につける必要がありますね。

石幡先生: そうですね。自分の場合、知り合いの開業医が歯周病学会の研修施設に認定され、それを前面に押し出した採用活動をしていることを知り、自分もそのような強みをつくりたいと考えたのがきっかけです。それから5年、6年と時間をかけて勉強し、論文を書くなど実績を積んできました。もう一つ意識しているのは、入職してくれたスタッフを大切にすること。当院を支えてくれるスタッフがやりがいをもって働けるよう、環境を整えることも重要だと思います。強みを築き、スタッフが輝ける場所にする。それがトップの果たすべき役割だと考えています。