患者さんのために。純粋な想いが生み出すポジティブな連鎖

患者さんのために。純粋な想いが生み出すポジティブな連鎖

  • インフォームド・コンセントを徹底。リコール率90%以上に 院長自らスタッフ教育。レベルが底上げされ団結力もUP 想いを伝える教育で良い感情の連鎖が生まれた

開業10年目で予防歯科に注力。歯科衛生士が必要不可欠な存在に

こちらの医院ではいつから予防歯科に注力されているのですか?

関 先生: 開業から10年ほど経った頃、「虫歯は治すのではなく、ならないようにしなければならない。これからはそういう時代が来るだろう」と思い、予防歯科に注力するようになりました。当時まだユニットが3台でしたが、歯科衛生士には必ずいてもらうようにしていましたね。

増築のきっかけを教えてください。

関 先生: 患者さんのために開業しているのだからと診られるだけ診ていたら、患者さんがあふれてしまったんです。増築したくても場所がなく、あきらめて移転を考えたタイミングで、運良く地主さんから駐車場だった土地を貸してもらえることになって。増築してユニットも12台まで増やし、歯科衛生士も増員しました。歯科衛生士の採用ではクオキャリアにお世話になっていますが、当院のことを広く知ってもらえるだけでなく、見学に来てもらえるような魅力的な求人媒体を出してもらえるので非常にありがたいです。

歯科衛生士にインフォームド・コンセントの徹底を指示するも、後輩が育たず馴れ合い状態

業績が伸びた理由は何でしょうか?

関 先生: 徹底した治療説明により、患者さんの関心や意識が向上したためです。20年ほど前からインフォームド・コンセントを徹底していて、一人あたり20分ほど時間をかけてお話ししています。はじめはリコール率も30%前後でしたが、徐々に患者さんのデンタルIQが上がっていき、今では90%を超えています。

これまで大変だったことはありますか?

関 先生: 歯科衛生士にもインフォームド・コンセントの徹底を指示したのですが、立ち上げ段階の個々の教育に難儀しました。以前は先輩が後輩にレクチャーしていたのですが、そもそもインフォームド・コンセントがなぜ重要なのか、何のために歯科があり、そのなかで当院は何を実現したいのか、そして歯科衛生士にどうあってほしいのかといった指針みたいなものがないままレクチャーの仕組みだけをつくってしまったので、その先輩以上には育たないし、馴れ合いみたいになってしまいました。スタッフのためにも私が責任をもってやらなければならないと思い、一人ひとりにレクチャーするようにしたところ、成長スピードが上がり、医院全体のレベルも底上げされて。全員が同じ方向を向いて仕事に取り組んでくれるようになりました。

自分を成長させてくれた社会に恩返ししていく

スタッフ教育で心掛けていることはありますか?

関 先生: 仕事に対する姿勢や患者さんへの接し方などで「こうしなさい」と強制したことはありません。「私はこうしている。それはなぜか」ということだけを伝えています。私の考えを理解してくれた子が私の行動を真似してくれて、その姿を後輩が真似して…と良い連鎖が続いている感じですね。スタッフにいつも言っているのは「夢は見るものではなく見続けるもの」。当院の増築も不動産屋に「何とかできないか」と10年間言い続けて実現できたことなので、夢は見続ければ必ず叶うよと伝えています。

先生が大切にされている想いはありますか?

関 先生: 私は「成長」とは周りに迷惑をかけさせてもらいながら成すことだと考えているんです。私もこれまでたくさん迷惑をおかけしながら成長させてもらいました。そのお返しとして社会貢献していかなければならないと思っています。私ができるのは歯科しかないので、患者さんやスタッフのために日々努力と勉強を続けているところです。スタッフのみんなも周りに助けてもらった分、たくさん成長して、患者さんのために力を尽くしてほしいですね。