人間関係構築のポイントは「話すこと」、「五方良し」の歯科クリニックを目指して
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信頼するスタッフの相次ぐ休職を機にチーム体制を整備 歯科医師、歯科衛生士ともに自ら学び研鑽し最適なやり方を掴む 日頃の想いを言語化、新たな理念「五方良し」の実現へ
創業メンバーの休職を機に、院内の体制を整備
貴院の特徴、スタッフ体制について教えてください。
橋本 正隆 先生: 当院は、虫歯治療や小児歯科、審美歯科など幅広く対応していますが、中でも力を入れているのが、虫歯や歯周病にさせないための予防歯科です。2016年8月に開院し、常勤の歯科衛生士が2人、パートの歯科衛生士が3人の、計5人でスタートしました。創業メンバーは経験者でしたが、その後は新卒をメインに採用を行い、コロナの時期を除いて毎年1人以上クオキャリアさんを通じて新しい歯科衛生士を迎えています。今では助手も入れてスタッフ総勢30名弱の大きなチームになりました。
それだけ多くの方がいて、どうマネジメントされていますか。
オープン当初からのスタッフが中心となり、新しいメンバーのサポートや教育をしてくれていました。しかし昨年、産休が重なり中心メンバーが一気に休職することになってしまったんです。そこで医院全体の組織力を整える必要性を感じ、今は職種別に5~6人で1つのグループにして、それぞれにチームリーダーを置く体制にしています。また、歯科医師であり副院長でもある妻が、患者さんへの対応などをいろいろと指導してくれていますね。
歯科医師も歯科衛生士も、常に学び続ける歯科クリニックに
予防歯科だと、歯科衛生士さんの力がより大切になってきますね。
そうですね。予防歯科を行うにあたり、先駆者の指導を仰ごうと、予防歯科で有名な歯科クリニックへ勉強に行きました。どういう治療を目指すのか、言葉で説明するよりも見たほうが理解が進むと思い、歯科衛生士も一緒に連れて行ったんです。それから、その歯科クリニックの歯科衛生士の連絡先を聞いて、わからないことがあったら自分で連絡をして勉強するよう伝えました。
貴院全体で学ぶことを意識されているんですね。
そうですね。そうした中で実際の治療を行うにつれ、もっと注力したいと感じる部分や、土地柄を考えて「これはうちには不要」と感じる部分なども出てきました。今は予防治療に詳しいフリーの歯科衛生士にも来てもらい、みんなで試行錯誤しながら、自院に合ったより良いやり方を採り入れるようにしています。学術に関しては常に力を入れていて、私もスタッフも、技術を磨き続ける歯科クリニックでありたいと思っています。
日々伝えている言葉をもとに、「五方良し」の理念を作成
スタッフとの関係づくりで意識していることはありますか。
しっかりと話をすることです。基本的に私は人間が好きなので、スタッフとコミュニケーションをとることが苦ではありませんが、とはいえ人数が多いので時間がかかります。時には診療時間を短くしてでも、スタッフとの定期的な面談の時間を設け、私自身が全員と話をするようにしています。人間関係の構築に悩む方も多いと思いますが、私の場合は悩むくらいだったらまず話をしてしまおう、というタイプです。
最後に、将来の展望をお聞かせください。
当院の掲げている理念は、「五方良し」です。「買い手」としての患者さん、「売り手」としての当院、取引先などの「世間」、新しい知識や治療方法を常に学ぶという意味で「学術」、そして「未来」。この5つが全て良くなるような歯科クリニックを目指しています。この理念は最近作ったもので、いつもミーティングなどで話していることを元に言葉にしていきました。「五方良し」の歯科クリニックを目指して、今後も頑張っていきたいと思っています。